チャンピオンに相応しい馬はどれ?

さて今週はマイルチャンピオンシップ。
開設当初は「日本で1番堅いG1」と言われたものでしたが、この5年でみると、1番人気がまずまずも2・3番人気がほぼ全滅。

さて今年のチャンピオンはどの馬なのでしょうか・・・。


まずマイルチャンピオンシップというネーム通り、その年のマイルの集大成でなくてはいけないはず!にも関わらず、過去5年においては当該年度のマイル重賞勝ちがあったのは、2007年のダイワメジャーと昨年のエイシンアポロンのみ。もちろん他3年も1400-1800mの重賞勝馬が勝利しており、その3頭ともマイル重賞で入着しているのでまあ、良いとしましょう。

あ、ってことはそういう馬を探せば「勝馬」が見つかる、ってことかも!

2012年の登録馬を見てみましょう。該当する馬は以下の通りです。

アイムユアーズ
ガルボ
クラレント
グランプリボス
シルポート
ストロングリターン
ドナウブルー
ハナズゴール
ファイナルフォーム
フラガラッハ
レオアクティブ

結構いますよね。ここからネガティブチェックを少々していきます。

過去5年の傾向をみると、前走大敗している馬の好走は難しい状況です。具体的には「1秒以上負けている馬」「二桁着順の馬」が該当します。これでシルポート、フラガラッハ、ハナズゴールが消えてしまいます。

さらに重賞勝利があっても「軽ハンデ」で好走したような馬は嫌いたいところ。2009年のザレマがそういうタイプでした。今年はレオアクテヴ、クラレント、ファイナルフォーム、アイムユアーズといった3歳馬が該当します。

特に3歳馬は古馬と1kgしか斤量に差がないので、他のG1に比べて台頭し難い状況にあります。過去5年でゴールスキーの3着のみ。斤量が2kg差あったときは3歳馬の好走例が多かったのですが、たとえ1kgでも「短距離範疇」となるマイルでは結構着差に響く傾向にあるようです。

また牝馬で好走した馬はすべて55kg以上の斤量での勝利実績があります。ドナウブルーは馬格もないので1kgが影響する可能性もありそうですね。

となると残るは以下の3頭・・・。

グランプリボス
ストロングリターン
ガルボ

勝馬はここから、ってことになりますかね・・・。

では馬券圏内という視点でみてみましょう。
年内の重賞勝利ではなく「年内勝利」という点に幅を広げれば、入着馬全部が該当します。重賞やG1で複数回入着はしているものの勝ちきれていない馬は人気になって惜敗するケースが多々あります。2007年のアグネスアークや、2008年のスズカフェニックス、2010年のスマイルジャックなどの例もありますしね。今年ではダノンシャークあたりが該当しちゃいますね。エイシンアポロン、リアルインパクト、マルセリーナといったマイルG1勝のある馬も消えますし、昨年2着のフィフスペトル、一昨年2着のダノンヨーヨーも消えちゃうわけです。

ではここからは、ポジティブチェックを(笑)。具体的には人気薄だったり、ボーダー下位ながら馬券に絡んだ馬たちのケースを見てみることでポジティブな条件を持った馬をみつけてみましょう。

まずはマイル戦好走率の高い馬です。
2010年のゴールスキーが、3-0-1-0.2009年のマイネルファルケが4-2-2-1。じゃ、今年は、ってみると・・・いないんですよね。

次に「今年重賞勝利をしている」という視点、これだとサダムパテックあたりを拾う感じでしょうか・・・。去年のリディルのように「マイル以上距離重賞」での勝利実績がないと危うい面もありますが、3歳時に2000m重賞を勝利していて、かつ天皇賞秋からの距離短縮となると拾っても良い気になってきます(笑)。

斤量を抜きにすれば、ドナウブルーあたりもOKということになります。ヴィクトリアマイルで55kgを克服した、って強引に解釈すればですが・・・(汗)。あとは1勝のみなながらマイル「1-2-1-0」の最高確率75%を誇る、ってことでファイナルフォームあたり・・・。

となると、登録の段階で可能性のある馬は以下に絞れてしまいました。

ガルボ
グランプリボス
コスモセンサー
サダムパテック
ストロングリターン
ドナウブルー
ファイナルフォーム

なんか当たりそうな感じもしてきました(笑)。

ちなみに今年の登録馬の成績IDMのランキングを掲載すると以下の通り。
条件は芝1600-2000m過去1年です。馬の名前の後に×がある馬は過去好走例のない前走大敗馬です。

74ストロングリターン
74グランプリボス
73エイシンアポロン(×)
73シルポート(×)
73フィフスペトル(×)
72サダムパテック
72コスモセンサー
72ダノンヨーヨー(×)
71フラガラッハ(×)
71ダノンシャーク
71ガルボ
71リアルインパクト(×)
70ドナウブルー
70レオアクティブ
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以上がボーダー
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69マルセリーナ
68ファイナルフォーム
68クラレント
66ハナズゴール
64アイムユアーズ
61アドマイヤセプター

最後に「安田記念」→「マイルCS」の連覇というのはあまりありません。まず安田記念馬が当該年度のマイルCSに出ないことが多いからです。最近ではウォッカとかそうですよね。そして、その数少ない例で連覇を達成した過去の「マイルチャンピオン馬」には「共通」事項があって「2000m重賞好走馬」もしくは「前年のマイルCS勝馬」のみなんですよね。よってこの条件に嵌らなかった馬は全滅でした。最近ではショウワモダン、リアルインパクトがそうでした。古くはアドマイヤコジーン等。まあそのくらい連覇はタフってことなんでしょうね。今年のストロングリターンも該当してしまうので、新星誕生に期待した方が良いかもしれませんね。

最終的な予想は、週末のコラムでご紹介します。

TEXT:明希一真