スプリンターズSのMIKATA

今週は秋のG1第一弾、スプリンターズSです。

今週からはコラム形式でデータを紹介していきたいと思います。


スプリンターズSの過去5年を見ると、人気薄が良く馬券に絡んでいますね。
別の見方で言えば人気馬が良く負けるG1ということ、3番人気以内の馬がこの4年は毎回2頭ずつ負けています。穴党には堪らないレースですね。

一昔前はこのG1で1200戦のレコードが出ることが多かったので、高速決着に強い馬を選ぶ予想方法が割と通用したのものです。しかし最近は馬場高速化に伴いローカル戦で6秒台も出るようなレースになっているので、戦績だけで「G1の時計」に対応できるか否かが判別できなくなってきたと思います。

そこで注目してみたのが「サマースプリント」のレース戦績。
きっかけは「キーランドカップ」好走馬がスプリンターズSでも好走していたので少し調べてみました。

過去5年の入着馬15頭のうち、8頭はサマースプリントシリーズの重賞勝馬、勝馬は3頭出ていますね。しかも8頭中6頭は複数のレースで入着しています。シリーズ通して活躍した馬が総決算でG1に臨む流れが確立したかのようです。一方サマースプリント重賞を2勝、人気したにも関わらず負けた10年のワンカラットのような例もありますが僅差の5着でした。

★サマースプリントシリーズ重賞勝(特に複数重賞好走馬)

ところで・・・。スプリンターズSでは「セントウルS」の勝馬が人気でこけることが多々ありますよね。となるとサマースプリントシリーズの実績はどうなるの?ってことになりますが実は上記8頭のうちでセントウルS勝馬は2頭いるのですが、その2頭とも他のサマースプリントの重賞レースを勝利しています(07年サンアデユ、11年エーシンヴァーゴウ)。よってセントウルSのみの勝馬は嫌った方がいいかもしれませんね。

★セントウルSのみの勝馬は軽視

次にレースとして見逃せないのが「キーランドカップ」。シリーズで複数好走しないでスプリンターズSを好走したのは09年のキーランドカップ勝馬のビービーガルダン(本番2着)です。またサマースプリントシリーズで重賞未勝利ながらスプリンターズSで入着したのは08年2着ののビービーガルダン(本番3着)、昨年3着のバドトロワ(本番2着)と、活躍馬を出していますね。
この理由の一因としては札幌芝1200mのコース形態が平均的な芝1200mのコース形態をしていることが上げられます。これは私の著書「知って得する展開予想」で紹介しているデータでのものですけど、スプリント戦のあらゆる要素が詰まっているので総合力が問われるG1につながるのだと思います。

★キーランドカップ入着馬

さてここまでのデータで対象とならない5頭はどんな馬か、をみてみます。
日本馬については4頭中2頭は同じ年の「高松宮記念勝利馬」、つまりG1馬です。高松宮記念の勝馬は臨戦過程を問わず注意した方が良さそうです。09年のローレルゲレイロは前哨戦のセントウルSを14着と惨敗しましたが、本番で巻き返していますからね。10年3着のサンカルロも同年高松宮記念を僅差の4着と好走していました。

★同年の高松宮記念好走馬

最後に外国馬の取捨ですが、こればかりはデータというよりは馬本位で判断せざるをえない、というのが正直なところです。とはいえデータコラムの意地を見せないと、という思いで面白い傾向を見つけました。

過去5年で見ると外国馬が出走した年が限られるので過去10年に広げて見つけたデータですが、こんなデータがありました。

外国馬3頭以上出走した年は最上位人気馬が先着する(事例3回)
外国馬2頭出走した年はかならず1頭が勝利する(事例2回)
外国馬1頭が出走した年は好走せず(事例1回)

サンプルが非常に少ない中でのデータで恐縮ですが(汗)、今年は3頭が出走するようなので馬券的に拾うのは最上位人気馬1頭のみで良いということになります。ただ3頭以上の3回において馬券に絡んだ馬を出したのは1回のみ。あまり確率は高いとは言い切れないですね。

★外国馬は最上位人気馬のみ注目(3頭出走の場合)

さて以上から今年の登録馬を眺めてみると該当馬は以下の通りです。

エピセアローム(サマースプリントシリーズ重賞複数好走)
パドトロワ(サマースプリントシリーズ重賞複数好走)
ダッシャゴーゴー(キーランドカップ2着)
カレンチャン(同年高松宮記念勝馬)
ラッキーナイン(外国馬最上位人気?)

さて結果どうなることか・・・。

TEXT:明希一真