宝塚は中長距離実績で獲れる?

さて上半期最後のG1、グランプリ宝塚記念ですね。
競馬ファンには古くからの常識であるかのように「スタミナ重視」、
と言われる宝塚記念ですが、データの側面からの検証をしてみたいと思います。


今回は芝2200m以上距離に焦点を充てて過去5年の入着馬を分析してみましょう。
そもそも2000mならマイラーでもこなせますが、
2200mとなるとマイラーには厳しい距離ですから、「最適な境界線」かと思っています。

次の表は、過去5年の入着馬の「1年以内の2200m以上距離のG1/G2」実績、
そして当時の出走馬内での「2200m以上距離の成績IDMランキング」です。
宝塚記念中長距離実績分析

まずG1/G2実績をみてみましょう。
ほとんどの馬がG1入着実績もしくはG2勝利実績がありますよね。
例外となる馬が4頭いますけど、3頭は前哨戦の金鯱賞勝馬、
もう1頭のナカヤマフェスタは2200mのセントライト記念勝馬です。
1年以内の中長距離G1/G2好走歴は必要な条件でもあり、
例外と見てよいのが前哨戦の金鯱賞勝馬という見立てが可能といえるでしょう。

次に成績IDMのランキングです。
「出走馬をCHECK!」で採用している「1年半」を対象としたものですと、
比較的下位の馬がきているケースもありますね。
ただ一番右の列に記載した「前走好走馬限定」の順位でみてみると、
10年のアーネストリー以外は上位5位以内の馬で決着しています。

このフィルターを掛けた理由は
データ的にも宝塚記念は前走好走馬(3着以内)しか好走できない傾向にあるからです。
インティライミの例外が1頭ありますが、宝塚記念は春終盤のレースということもあるので、
偶然ではなく必然的な傾向かとも思い採用した次第です。

今年の登録馬で「前走3着以内の芝2200m以上距離の成績IDM5位以内の馬」は


ビートブラック、ウインバリアシオン、トゥザグローリー、ルーラーシップ、ネコパンチ


さてこの中に好走馬はいるんでしょうか?オルフェーヴルいないけど(大汗)。

もうひとつ面白いデータをご紹介しておきます。
宝塚記念では重要な前哨戦といえる「天皇賞春」と「金鯱賞」との関連性です。

次のデータは両レースでの入着馬が宝塚記念に何頭出走して好走したかを整理したものです。
宝塚記念と天皇賞春金鯱賞

天皇賞春入着馬は面白いことに「2頭」出走すると、必ず1頭宝塚記念でも入着していますね。
今年も2頭登録されていますね。(ビートブラック、ウインバリアシオン)

金鯱賞は近4年必ず1頭宝塚記念でも入着していますね。
2007年は1着馬の出走がなかったこと、
また芝2200m以上の成績IDMベスト3の馬が状態よく出走してきたことが理由でしょう。
今年はG3の鳴尾記念を対象とするのにやや躊躇しましたが、
同じ阪神で行われることと、同時期開催している頃にも宝塚記念の好走馬を出していたので、
良しとしましょう(大汗)、ただ当時は勝馬は出せていませんでしたけどね(苦笑)。
今年は登録馬は2頭います。(トゥザグローリー、ショウナンマイティ)

以上、是非ご参考にしてみて下さい。

TEXT:明希一真