「斤量を変えて能力を均衡化することで、レースを接戦にする」
これがハンデ戦が設けられている理念ですよね。
となると「能力の劣る“斤量の軽い馬”が好走する」と連想しがちですが、
タイトルの通り「斤量の重い馬を狙え」というのが競馬の格言としても言われています。
また「短距離はハンデ差が効く、長距離は効かない」といった格言もありますよね。
ということで改めて調べてみました。
以下は過去10年のハンデ重賞における距離別での斤量による入着馬シェアです。
比較対象として、条件戦を含めた全レースのシェアも入れてあります。
まず条件戦を含めた全レースでみても、
53kg以下の軽量馬が入着するシェアはわずか20%程度です。
一方で55.5kg以上の斤量馬が好走するのは約40%、
57.5kg以上の「酷量馬」でも約10%のシェアを持っていて、
これは51kg以下の「最軽量馬」が5%にも満たないことを考えるとかなり優秀とえるでしょう。
やはり、「斤量の重い馬を狙え」は正解のようです。
次に重賞の距離別成績を見てみましょう。
短距離カテゴリーとなる「芝1400m以下」ですと、53kg以下の「軽量馬」のシェアが相対的に高くなっています。
統計学的な見地でみても、全体に対して15ポイント以上高いのは優劣として明らかに顕著な傾向が出ているといっていいと思います。
一方で55.5kg以上の馬になると、全体傾向から10ポイント落としますし、他の距離と比較してかなり低いシェアとなることが分かります。
結論として
「短距離はハンデが効く=軽い馬が好走する」といっていいでしょう。
逆の傾向が強いのが「ダート戦」。
「53kg」以下の軽い馬が、他重賞と比較してもシェアが低いですし、そもそも軽量馬がよくない「全体」との比較からも低い傾向にあります。
一方で「55.5kg以上」の馬のシェアが他の重賞と比較しても高めにあるので重い馬の方が好走する傾向にあります。
結論として
「ダート戦は斤量の重い馬を狙え」といっていいでしょう。
芝の中距離カテゴリーは全体傾向とほぼ合致しますが、55.5-57kgのゾーンが比較的高めですね。
芝の中距離は重すぎず軽すぎずが好走の鍵かもしれませんね。
最後に今週「日経新春杯」が行われる
長距離カテゴリーとなる「芝2200m以上」を見てみましょう。
ここで注目したいのは、
本来一番好走率が高い「53.5-55kg」のゾーンでのシェアが低く、「53kg以下」「57.5kg以上」といった「より軽い」「より重い」馬が相対的にシェアを占有していることですね。
この理由としては、長距離ハンデ重賞は「G2」戦が多いこともあり、強い馬が「重い斤量」を背負って地力の高さで好走していることと、「長距離適性のある」格下クラスの馬が適性や展開利を生かして好走しているからではないでしょうか?とはいえ、実態として「重い馬」の方が優勢な印象ですね。
結論として
「長距離は斤量の重い馬が基本、
但し適性や展開利のある軽量馬に注意」といった感じでしょうか。
今週日経新春杯に出走するトゥザグローリーは58.5kgの酷量ですが、
馬券圏内には入れておいた方が良さそうですね。
TEXT:明希一真
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