今週は春のマイル王を決める「安田記念」ですね。
絶対王者不在が続くこの路線、今年はどんなドラマがあるのでしょう。
着目したのは「馬格」です。
最近色々なところでも書いていることに「東京競馬場は馬格がモノを言う」という視点、
イマイチ、ピンとこない方もいると思うので、まずはこんなデータを・・・。
これは馬体重別にみた1着シェアと入着シェアです。
芝全レース及び芝G1全レースと、東京競馬場だけのG1及び安田記念を比較したものです。
データは東京競馬場の直線が長くなった2003年以降を対象としています。
馬格優先が一目瞭然ですよね!
基本的にはG1になると馬格がないと戦えません。
理由は強い馬にはそれなりの「骨格」と「筋肉」が必要であるという理由がひとつ。
加えてG1は直線が長く広いコースで行われるので、
小型馬の優位性である「機動力」よりも、
運動エネルギーを持続させることが重要になります。
分かり易く説明しますと・・・、
坂道で止まり易いのは小さくて痩せているヒト、大柄の太ったヒトのほうが止まり難い、
これと一緒で、スピードに乗ってしまえば「大型馬」の方が運動エネルギーが持続します。
つまりコレ「競馬予想でなく物理」ですよね(笑)。
特に東京競馬場はG1が開催されるコースとしては一番直線が長いわけですから、
他コースのG1以上に「馬格」がモノをいうという訳です。
加えて「安田記念」だけでみると、さらにその特徴が顕著ですよね。
勝馬の最軽量馬はツルマルボーイの460kg。ただこのときは豪雨の「やや重」でした。
となると高速馬場でのものならアグネスデジタルの468kgとなるので
勝馬選びは470kg以上からということになります。
入着馬の最軽量馬はスゥイープトウショウの454kgですから、
450kg以下の馬では馬券対象から外して良いということになります。
安田記念で牝馬の好走が最近は少ないのはこういう理由もあると思います。
500kg近いウォッカは別次元の馬だったということです。
そして見逃せないのが500kg以上の馬が馬券に絡むシェアが
他芝レース、そしてG1レースよりも「安田記念」が圧倒的に高いことにも注目です。
大きい馬を買うことがまずは基本なのは間違いありません。
ただし1点だけご注意を!
G1レベルに到達している馬ならあまり心配はいらないと思いますが、
馬格のある大型馬でもスピードが持続しないケースが1つあります。
それは前肢(前の脚)の動きが雑な馬、または動かす軌道が前に伸びずに上に出る馬です。
理由は簡単です、せっかく運動エネルギーでスピードが乗ったとしても、
前足の動きでブレーキを掛けてしまうからです。
下り坂を自転車で降りると気持ちよいですが、
前輪が円でなく四角だったらスピードは乗りませんよね、これと一緒です。
ダートであるならば、地面の砂が既にブレーキを掛けているので
雑な動きをする馬でも大丈夫ですけど、スピードに乗る芝の場合はこの前肢の動きが重要、
条件戦などで「馬格」優先で予想すると、この罠に嵌るのでご注意下さい。
とはいえ、前肢稼働を見極めることが出来ないヒトでも大丈夫!
単純に上がり3Fの速度をみることで判別可能です。
ただ時計が出ていればOKでなく、入着または着差が少ない時に速い時計か否かが重要です。
全馬が速い時計を出せる馬場だったかどうかを「成績」で判別するということです。
最後に毎度お馴染みにもなりました、前哨戦の入着馬成績IDMです。
※クリックすると拡大画像がご覧いただけます。
今年は比較的レベルの高い傾向が各路線で見られてましたが、
マイルに関してはそうでもないですよね、ダービー卿が異様に高いのが目につきますが・・。
さて本番、どの馬は「あっ」っと驚かせてくれるのでしょうか?楽しみですね。
TEXT:明希一真